Arc'teryx Beta LT Jacket レビュー

Dot Shot Jacketの寿命は2年!? でも書いたが、雨ガッパを買い替える事にしました。

購入したのはArc'teryx の Beta LT Jacket。サイズはS。




寿命を迎えたDot Shot Jacketは、袖が手首のあたりになるようにサイズを選ぶとLサイズになるのですが、Arc'teryxのようなヨーロッパのブランドは袖丈が長く、身幅がタイトなものが多いので、小さめのSサイズでジャストでした。


Dot Shot Jacketでは胴回りが余っていましたが、Beta LT Jacketは風でバタつく事もありません。
タイトな割に肩周りも動かしやすく、下に厚手のフリースを着ても窮屈な感じは無いです。
腹周りのデッドスペースが少ないので、ジャケット自体に保温性はないが温かく感じますね。
カラーはcarbon copy。限りなく黒に近いグレーに止水ジッパーの赤がアクセント。
今回は色で冒険はしませんでした。


まだ雨天の山では試していませんが、シャワーで水をかけてみると気持ちよく撥水してくれます。
クリーニングで定期的に撥水加工していたDot Shot Jacketは表面に少し水滴が残っていましたが、
Beta LT Jacketは一滴も残さず滑り落ちていく感じ。
新品と中古の差なのか、それとも品質の差なのかはわかりませんが、荒天時には今までよりも頼りになりそうです。


生地は薄くて軽いがしっかりしていて、前ファスナーを開けたままでも襟がくたっとならず、シルエットが崩れません。
ひとつ気になるのは動いた時の音、いわゆるシャカシャカ音。
米袋や肥料袋のようなガワガワした音なのですが、これはまぁ…そのうち慣れるでしょう。



ちなみに、アークテリクスの ラインナップにあるAlpha・Beta・theta(アルファ・ベータ・シータ)という名前は、ジャケットの丈の長さの違い。
Beta→Alpha→thetaの順に丈が長くなるので、今回買ったBeta LT Jacketは一番丈が短いタイプ。
公式サイトにも詳しい寸法が載っていますがBetaはアクティブに動けるモデルになっていて、前はベルトのバックルが隠れるくらい、後ろは少し長めでお尻にちょっとかかるくらいの丈になっています。

Betaの横のLTというのは素材の種類。
LT(ライトウェイト)は耐久性が高い素材を使いながら軽量化されたモデル。
他はAR(オールラウンド)、SV(シビアウェザー)、SL(スーパーライト)などがあり、SV→AR→LT→SLの順で耐久性があり記事が厚くなります。
つまりSVが最も耐久性に優れているモデルという事。
生地(素材)には他にもたくさん種類はありますが、悪天候の登山などで必要とされる防水性や透湿性といった機能を備えた、いわゆるハードシェルとよばれるモデルの定番はこの4種類。
いずれも生地に保温性はないので、中に重ね着して体温を調整します。

最も軽くて値段も安いBeta SL Jacketは登山をしない人にもファッションとして人気のようで、雨カッパ代わりに使うならこのSLジャケットでもいいのですが、問題は素材。
SV・AR・LT・SLの中で、SL以外はゴアテックス素材を2枚の生地で挟み込んだ 3レイヤーという構造なのですが、SLだけはゴアテックス素材ではあるが裏地がポリウレタンコーティング(Dot Shot Jacketと同じ)で、2レイヤーと呼ばれる生地です。
外側の撥水性能は高いのですが、たった2~3年で裏地が劣化してしまうのは目に見えています。
Arc'teryxは安くない買い物なので、それでは困りますからね。

※名前が似ているBeta LT HYBRID Jacketという商品もありますが、これは耐久性の必要な部分には3レイヤーの生地を使いつつ、それ以外は一部に2レイヤーの生地を使い軽量化されたハイブリッドタイプ。
値段もBeta LT Jacketに比べて安いですが、ポリウレタンコーティングの劣化は避けられないので却下。


Beta LT Jacketは3レイヤーのGORE-TEX PRO 素材を使用しているので耐久性や耐久性に問題はないでしょう。

安心して長く使えそうです。