もともと土地を持っていたり、建売住宅を購入するのであれば別ですが、一から宅地を探す方も多いと思います。
不動産屋をのぞいたり、生活圏内で売地の看板を探したり、探し方は色々です。
土地探しに関して、経験を元に、注意点をお伝えしたいと思います。
常にアンテナを立てておこう
土地の情報は意外なところから入ってくるかもしれません。不動産屋はもちろん、仕事仲間や親戚、地域密着のフリーペーパー、偶然耳にした噂話も貴重な情報源です。
不動産屋に行って、あなたの気に入った土地がすぐ見つかる確率の方が低いでしょう。
普段の生活で触れないようなポイントにもアンテナを向けて情報収集してみましょう。
いつもは通らない道を通って会社に行ってみるとか、久しぶりに会う人と話をしてみるのもいいですね。
きっと土地以外の有益な情報も入ってくるかもしれません。
多方面に声かけを
情報が入ってくるようにするには、「自分は土地を探している」という事をいろいろな人に伝えておく必要があります。細かい条件まで指定する必要はないと思いますが、周りの人が情報を手に入れたときに「そういえばあの人が土地を探していたな」と思い出してくれるように声かけをしておくことが大切です。
新聞の小さな広告や、土地を売りたいと思って居るけどまだ行動に移していない人など、あなたの周りには土地の情報がたくさん飛び交っているはずです。肝心なのはあなたにその情報が入ってくるかどうか。
より多くの人に土地を探しているという意思を示せば、それだけ情報が入ってくる入口が増える事になります。
私の場合、結果的に不動産屋から土地を購入しましたが、そこに至るまでにいろいろな方から土地の情報をもらいました。
不動産は同じものが二つとないですから、候補は多ければ多いほど良いと思います。
たくさんの物件を見ているうちに、素人なりに目も肥えてきます。何も知らないうちに目の前の物件に飛びつくのは危険ですからね。
建築条件付きにご用心
宅地を探す際に気を付けてほしいのが、建築工務店の持っている土地です。分譲地などに多いですが、特定の建築会社で建物を建てるという条件付きで売られている土地があります。
私の場合、初めに建てたい工務店が決まっていたので、建築条件が付いていない土地を探していました。
探しているうちにある工務店所有の土地が気になり問い合わせてみると、建築条件が付かない土地だったので詳細な資料をもらって検討する事にしました。
すると2日程経ってその工務店から連絡があり、やっぱり建築条件を付けると言われました。
どうやら不動産担当が上司に「土地だけ売っても大した儲けにならない、うちは工務店だから家を建ててナンボだ!」と叱られたそうです。
工務店側の事情も分からないではないですが、だったら初めから建築条件付きと明記しておけばいいのです。
不動産担当は他の土地も紹介してきましたが、後出しで建築条件を出してきたその工務店への不信感が大きくなり、もう関わりあいたくないと断りを入れました。
自社の都合で後々話をひっくり返すような会社は、また同じような事をしますからね。
皆さんも土地を探す際は「建築条件」の有無に気を付けてください。
金銭的な余力があった方が良い
不動産屋が土地を紹介する際に気にするのは、「この客はこの土地を買えるのか?」という事です。買う気もない冷やかし客に情報を見せるのも時間と労力の無駄ですし、客に買う気があっても金銭的な事情で買えませんとなれば肩透かしを食らってしまいます。
特に、土地も家もこれから検討している段階で住宅ローンの仮審査もまだという客の場合、買えるかどうかもわからないわけです。
そんな客の相手をしている間に上客を逃がしてしまうかもしれません。
不動産屋の心理としては、貴重な情報は「買う気があってしかも買えるお金のある客」に出したいものです。
自分がその上客になるには、土地を購入するための資金があるという事を不動産屋に伝えておくこと。
住宅ローンの仮審査を通っているとか、頭金くらいはすぐに出せるとか、土地購入につながる準備ができているという事も高いポイントです。
私の購入した土地は不動産会社の社長が個人で所有していた土地だったのですが、手放す予定の無い土地を相場よりも安く譲ってもらう事ができました。しかも不動産会社ではなく個人売買だったので手数料も抑える事ができたのです。
市場に出回る前のいわゆる「川上物件」だったわけですが、私に情報が入ってきたのは現金で購入する意思を伝えていたことも大きかったと思います。
「買える客」だと判断されて情報が回ってきたのでしょう。
古地図を見てみよう
土地を買う前に、その土地がどのような土地だったかを調べてみる事も大切です。例えば傾斜地にある場合、切土か盛土かで地盤の強さは違います。山を切り崩して平坦な土地を作った場合(切土)は地盤がしっかりしている事が多いですが、斜めの土地に土を盛って水平にしている場合(盛土)は地盤が弱いことがあります。
また、土地の名前にさんずい等の水を連想させる感じが使われている場合や、谷などの低い場所を連想させる漢字が使われている場合もおすすめしません。
それらが分譲地で造成されていたり区画が新しくなって住所名が変わっていたりすると、元々の土地の素性が分かりにくくなっている事が多いのです。
以前はその土地がどのような土地だったのかを調べるには、その土地に長く住んでいる人に話を聞くのがおすすめです。
昔の自然災害の際にどのような被害があったのかや、その土地の変遷が聞けるかもしれません。
ご近所さんと話をすることで、その土地の雰囲気や近隣住民のキャラクターも見えてくるでしょう。
もっと簡単に土地の歴史を知る方法もあります。
それは古地図です。
街の図書館にいけば、ゼンリンの地図が置いてあります。書棚に見当たらなくても保管庫にしまってある場合があります。図書館の職員に「住宅地図の一番古い物は無いですか?」と尋ねてみましょう。
3~40年以上前の古い地図があればいいですね。
以前は誰の持ち物でどんな建物が建っていたのかも知ることができますし、地形や水場なども現在と違うことがあります。
古地図を見ることで、上に書いたような湿地・沼地ではないか、新しく造成された土地ではないか、ネガティブな字が使われた地名ではないか等が確認できます。
買ってからお金がかかる土地
一見良さそうに見えても、購入して住宅を建てる段階で余計にお金がかかってしまう土地もあります。例えば地面に瓦礫や粗大ごみなどが埋まっていたり、大がかりな地盤改良が必要な場合は、土地の購入を見送った方が良いでしょう。手を加えたところで不安が残ります。
また、近隣とトラブルが起こりそうな土地も良くないですね。境界のことで争いがあったり、騒音やゴミ問題なども避けたいです。
土地の素性に関しては素人では判断が難しいですから、工務店などに現地を見てもらうのが良いでしょう。そういった事からも、土地の売買に利害関係の絡まない業者がおすすめです。建売住宅や建築条件付きの土地の場合、そこが心配されます。